土脉潤起(それから獺祭魚)

土脉潤起、つちのしょううるおいおこる。 雨が降って土が潤いはじめる。二十四節気は雨水。これを書いている今日、関東各地でまた雪が降ったらしいけど、こちらではあられ混じりの雨で、パウダービーズのような白くてごく小さなあられがアスファルトの上をぴ…

魚上氷(めだかのめざめ)

間に合いませんでした。昨日までの七十二候、魚上氷やります。 魚上氷、うおこおりをいずる。水がぬるみ、割れた氷のあいだから魚が跳びはねる頃、とのこと。 跳びはねる、とはまたずいぶんと陽気な感じがする。ヒャッホウである。トビウオのように飛翔する…

黄鴬睍睆(とりとめない鳥の話)

今日まで? 明日までかな? 黄鴬睍睆、うぐいすなく。ウグイスが鳴はじめる頃とのこと。 春告鳥、うぐいす。本州では2月下旬から3月上旬に鳴きはじめることが多いらしいので、この時期に鳴いていたらちょっとせっかちさん。 「迷いながらだっていいから歩こ…

東風解凍(春のよろこび)

東風解凍、はるかぜこおりをとく、春風が氷を融かしはじめる頃。まさに立春、というストレートさ。新年という感じで気持ちがいい。 先日の大雪はほとんど解け、日陰にわずかに残るのみとなった。晴れてきらきらと雪が解けていくのを見ていると、春だ、と思う…

鶏始乳(にわとりと夜明け)

いつもいつも候の最終日や翌日なので、ここらでペースを整えたい! と前回記事アップ後すぐに書き始めたのにこの始末(候の最終日に更新)です。なぜか全然頭が回らなくて、書きたいことは決まっているのに文章にならない。なので今回の記事はいつもに増して…

水沢腹堅(御神渡りの思い出)

水沢腹堅、さわみずこおりつめる。沢の水が厚く凍る頃、つまりものすごく寒い時期ということ。 大寒波、寒かったですね。本当に寒かった。赤子と猫のために一晩じゅう暖房をつけているので、室内にいるとあまり実感がないけど、先日は蛇口の水があまりに冷た…

款冬華(ふきのとうの水辺)

新しい候に入る前に更新できそうだったのに、子供の寝かしつけをしながら寝てしまいました。無念。 ひとつ前の候です。款冬華、ふきのはなさく。ふきのとう、つまり蕗の蕾が雪の下から顔を出す頃。 ふきのとうを摘んだことはありますか。私は子供の頃にあり…

雉始雊(記憶の中の雉と記憶)

はいはいぎりぎりです。昔から何事もぎりぎりにならないとやる気にならない子供だった。ちゃんと候の初日に更新できる人たちはすごいなあ。 雉始雊、きじはじめてなく。雉が鳴き始める頃、ということだが、雉の雄が鳴くのは求愛のためで、繁殖期は3月から7月…

水泉動(ふたたび遅れ)

明日から新しい候に入ってしまう、と昨夜慌てて仕上げようとしたけど仕上がらず、またしても一候遅れです。暦より5日遅れて生きているわたくしですがどうぞよろしく(五七五七七)。 というわけで昨日までの七十二候、水泉動、しみずあたたかをふくむ。地中…

芹乃栄(芹とその周辺)

2回続けて遅れるのはなんとか回避できそう。5日から始まった現在の七十二候は、芹乃栄、せりすなわちさかう。芹がもりもり生えてきますということらしいが、実際の旬はもう少し後で、まだ小さくて見つけにくいらしい。そういえば七草セットに入っている芹は…

雪下出麦(一候遅れ)

あけましておめでとうございます。 年末年始は平常運転でした。子育て中の専業主婦に正月休みはない。むしろ夫がいるのでブログを書く時間がなく、下書きのまま七十二候が次のに移ってしまった。でもせっかく途中まで書いたので書き上げます。 元日から昨日…

鹿と私の今年の終わり

年の瀬ですね。 七十二候、一昨日から新しい候に入っています。 麋角解、さわしかのつのおつる。鹿の角が生え替わりのために抜け落ちる頃、ということ。 このサワシカというのは奈良や宮島にいる鹿ではなく、北米や北ユーラシアにいるヘラジカのことらしい。…

乃東生と冬至

今、私の中で流行ってるので、今回も七十二候の話、と下書きでもたもたしているうちにクリスマスイブになってしまった。どんまいです(自分に) 一昨日の冬至の日から、乃東生、なつかれくさしょうず、という新しい候になった。 ぜんぜん読めない。 夏枯草、…

鮭、ふるさとへ

前回の記事から七十二候を追うようにしているのだけど、一昨日から新しい候(というのか?)に入りました。 鱖魚群、さけのうおむらがる。鮭が群がり川を上る頃、ということらしい。 おや? 北海道土産の木彫りの熊、彼らがくわえてるのは、川を遡上してきた…

おやすみくまさん

先日こちらを読みました。 まぬけなこよみ 作者: 津村記久子 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 2017/04/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 大好きなのだ、津村記久子。 これは季節ごとの風物詩や祭りやモノや何やらにまつわる随筆集で…

こどもと季節

2月に産んだ子供が今月で10ヶ月になる。 晴れた日はほぼ毎日、子供と散歩に出かける。といっても子はまだ歩けないので抱っこなりベビーカーで。 夏はいろんな声の蝉が鳴き、黒、黄色、薄紫、青、いろんな色の蝶が舞い、草木も鬱蒼として辺りは生命の気配に満…

9ヶ月ぶん

短歌の目企画がお休みに入り、私もすっかり休んでしまいましたが、また何かを書きたいような気持ちになってきたので書くことにしました。 今年の2月に子供を産んで、それから、短歌の目のお題と関係なくつくったもの(と、お参加後にお題で思いついたもの)…

短歌の目8月(朽ちてゆく赤)

短歌の目、参加させていただきます。 (先月は日付変わってしまって間に合わず) よろしくお願いします! 8月題詠 5首 1. 流 ぽつぽつと流れる花を追いかけてこんなに遠く 後悔はない 2. 囃 囃すように傷つけてきた八月の道のうえには今も満月 3. フラット …

短歌の目7月(幾重にも)

今月も参加させていただきます。 よろしくお願いします。 7月題詠 5首 1. 透 太陽に透かしてみれば幾重にも幾千重にもつらなる私 2. ホイップ 水蒸気ホイップしてよ夏空に倦怠まとい白き塔立つ 3. 果 アスファルトぐらぐら煮えてまたひとつ夏に果てたるいき…

短歌の目6月(そのつぎの町)

今月も参加させていただきます。 久しぶりに早めにできた! と思っていたけど、もう29日だし6月って30日までなので1日早いだけでした。なんだ。 題詠 5首 1. クリーム 自意識でがんじがらめの思春期よソフトクリームに歯をたて齧る 2. 溝 側溝を流れる闇のそ…

短歌の目5月(あかあおきいろ)

今月もよろしくお願いいたします。 題詠 5首 1. 青葉 青葉闇あまく匂って永遠に届かぬままの告白を聴く 2. くつ(靴、屈、窟など他の読みかたも可) たいくつな日々のほとりで夢を見るあかあおきいろ架空の世界 3. カーネーション 鉢植えは猫がかじってしま…

短歌の目4月(綿毛は笑う)

今月も参加させていただきます。 1. 皿 紙皿のうえにぽたりと日は落ちてああまた容赦なく夏が来る 2. 幽霊 日だまりの幽霊屋敷にふわふわと綿毛は笑う こっちへおいで 3. 入 地下室に入りきらない思い出や諦念がドライアイスのように 4. うそ(嘘、鷽、獺も…

短歌の目3月(あまりに白く)

今月もぎりぎりです。どうぞよろしくお願いします。 題詠 5首 1. 草 春ならばしろつめ草の咲く団地 幼い私をみどりに染める 2. あま 手のひらはあまりに白く小さくて空へ向ければただただ未来 3. ぼたん あの日々のすべてをさらっていった人 うすむらさきの…

短歌の目2月(あわいあおぞら)

ぎりぎりですが今月もよろしくお願いします。 題詠 5首 1. 洗 からからで息ができない薄皮を洗い流せる雨をください 2. 鬼 嘘つきで正直な眼の鬼たちは疲れた君にきっとやさしい 3. 入 入り口の狭さ暗さにあきらめたあの道をいつかだれかが通る 4. チョコ 義…

短歌の目1月(どうして星が)

短歌の目1月。今月も参加させていただきます。 題詠 5首 1. 編 編み込みも大人になればできるはずだった 優等生のはるちゃんみたいに 2. かがみ(鏡、鑑も可) いつのまに鏡の世界をあきらめて生きていくこと決めたのだろう 3. もち 雪の日はおもちもちもち…

マタニティブルー的なものを分析してみる、その2

前回の記事に続いて、不安なこと、ふたつめ。 出産といえば、鼻からスイカと言われるくらい、とにかく死ぬほど痛いというが、実は私は、痛み自体はそれほど怖くはない。 もともと生理痛がかなり重く、痛みで意識が飛んだことがあるくらいなので、分娩中に気…

マタニティブルー的なものを分析してみる

いよいよ臨月に突入しました。 夜になると謎の不安感で苦しくなり、これがマタニティブルーというものなのか、なんなのか。 楽しいこと、楽しみなことは山のようにある。それでも、これから始まる日々は、たぶんなにもかもが新しい。変化に不安はつきものだ…

ご挨拶と、母体という容れ物のこと

あけましておめでとうございます。 去年の4月頃に開始し、妊娠してから放置ぎみになっていたところ、短歌の目さんのおかげで11月から再びやる気を取り戻してきたこのブログですが、今年も細々と続けていけたらなあと思っております。 来てくださる皆様、本当…

神様と自由と私

前回、「短歌の目」に参加させていただいて、気づいたことなど。 前回の最後にも書いたように、数年前に作った歌には、神様、あるいは自由、という言葉が頻繁に出てくる。 まず、神様について。 神様の城のふもとに住んでいた怖いものなどなにもなかった 私…

短歌の目12月(神様の城)

短歌の目12月、今回も参加させていただきます。 1. おでん 染まらないのは美しく寂しいことだ はんぺんの白がおでんに浮かぶ 2. 自由 欲しいのは音楽とかぎりない自由 紅いあじさいベランダに置く 3. 忘 大昔忘れてしまった約束も思い出せぬまま母になります…