先輩パフォーマンス
当面はお題のみ、と言った舌の根も乾かぬうちに関係ない投稿をします。
先日の話。
職場で新入社員が怒られていた。
怒っていたのは入社三年めだか四年めの営業。
曰く、
「お客さんから預かったものをそんな積み方するとかありえないでしょ」
「ちょっと時間かかりすぎじゃない?」
「そんなとこラベル貼ろうとしてもだめだよ、普通わかるでしょ」
だいたいこんな感じ。
同じ部署の人たちではないので、どんな教え方をして、どんな経緯があってそうなっているのかわからないけど、
この子、先輩スキル低そうだな、と思った。
本気で指導してるつもりなら、あまりにへたくそだ。
それか、先輩風パフォーマンスか。
もともと私はその先輩営業(以下先輩くん)にあまり好感を持っていなかった。
新卒でたまたま忙しい部署に配属されただけなのに、俺忙しい、俺めっちゃ仕事してる、俺デキる、みたいな雰囲気をぷんぷんさせている、と思っていたので、
これは私の偏見でそう見えるのかも、と考え直してみた。
もしかしたら、今までもこの新人くんは同じことでさんざん注意されてきて、それでもできないから怒られてるのかも。
まだ入社してひと月も経ってない、配属されてからなんて二週間くらいしか経ってないけど。
先輩くんは、もういいよ、と自分でダンボールにラベルを貼った。
新人くんが台車を引いて立ち去ったあと、先輩くんは近くの席の女の子に、ラベルもちゃんと貼れないとか、などと笑いながら言った。
それを聞いて確信した。
やっぱりこの子、パフォーマンスだ。
自分のために叱ってるんだ。
そもそもただ注意するだけなら、あんな大きな声を出す必要はない。
まったく別の作業をしている周りの人たちに、敢えて聞こえるような声で叱ったのは、人前で後輩を叱る自分、というものを意識していたからだろう。
人前で後輩を叱るというパフォーマンス。
それが終わったあとに、もしかして引かれてるかも、という懸念が出てきて、
俺あんなこと言っちゃったけどあいつが出来ないから悪いんだよ?
と、きつい口調で叱ったことを弁明した。
というふうに私には思えた。
やっぱり偏見が入ってるのかもしれないけど。
単に、真面目に怒ってしまったあとで照れくさくなって、照れ隠しの一言だったのか?
ただの叱り下手?
世の中には理不尽な怒り方をする上司や先輩はたくさんいる。
私も出会ったことがある。入ったばかりの会社で、教わっていないこと、まったく聞いていないことで、怒られた。
そんなの知らないよ、なんなんだよ、とやりきれない気分でいたら、同僚があとでこっそり声をかけてくれた。あの人ああいう感じだから、あまり気にしないほうがいいですよ、と。
本当に救われる思いがした。
そこで私も新人くんに言いたい。
君の先輩は、自分のために叱っている疑いがあるよ。そんな先輩に当たっちゃって残念だったな。
普通、とか、ありえない、とか、人に教えるときに自分の基準を押しつけてくるなんて、それこそありえないよな。
といって謙虚さは失うなよ。
どんな相手でも、たとえ反面教師としてでも、教わることはたくさんあるんだ。
決して、あいつはダメだ、と文句だけ言って、自分ばかりが正しいような錯覚に陥ってはいけないよ。
あと、君が「そんな積み方するな」と言われたお客さんからの預かり物、
三年前の先輩くんは、放り投げてたから。
その箱かわからないけど、しばらくして中身に破損があったって揉めてたよ。
だから大丈夫。
君はまだまだこれからなんだ。
ところでスマホのブラウザで記事を書いてると、途中でうっかり投稿ボタン押しちゃうよね。
まだ三度めの投稿なのに、すでに二回やりました。
今度からアプリで書きます。