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気づかないこと

シャワーを浴びていて、鼻にお湯が入ることがよくある。
正確に言えば、よくあった、だ。
上を向いているわけでもないのに、なんでなんだろ、とずっと思っていた。

あるとき、彼氏(現在の夫)が言った。
まちかは、鼻が上向いてるよね。


!!!!!!!!


そうだったのか。
私の鼻は、上を向いていたのか。
知らなかった。
30年間、この顔が当たり前だったし、そういえば顔のパーツを他人と比べたことなんてなかったから、ぜんぜん気づかなかった。
そうだったのか。
だから、お湯が入るのか……!!!

目から鱗だ。
長年の謎が解けた。

なんで今まで誰も指摘してくれなかったのか、と思ったけど、そんなこと普通言わないか。
むしろよく言ったなと思う。


それからことさらに気をつけるようになったので、最近はお湯が鼻に入ることはない。
でも、顔にシャワーを当てていると(これお肌にはあまり良くないとも聞きますね)、言われたときの衝撃を今もたまに思い出す。
思い出したので今日書いています。


20歳頃から20代半ばくらいまで、なぜか自画像を描くのにはまっていた時期がある。
気分が沈んでいるとき、ただなんとなく絵を描きたいとき、鏡を見ながら、なるべく正確に。
そんなわけだから、鼻もさんざん描いた。
それでも気づかなかった。
一度でも他の人の顔を描いてみたら、もっと早く気づけたのだろうか。
気づいたからって、シャワーを浴びるときに気をつけるくらいしか、できることはないけど。


人と比べてばかりいるのもばからしいけど、人と比べることでしかわからないこともある。
たぶん、それを個性と呼ぶ。