霞始靆(一候遅れ)
日付が変わってしまったので前回の七十二候。
霞始靆、かすみはじめてたなびく。霞がたなびきはじめる頃。
霞とは、空気中の水分が冷えて細かい水滴になり、空気の中をふよふよしている状態。それが春に現れやすいのは、前候で出てきたように土が水を含んでそこから蒸発したり、次候で出てくるように植物がいきいきとしだして葉っぱから水を蒸散したりするのに加え、昼夜の寒暖差が大きくなるためらしい。
この候へ移行した24日は、よく晴れて暖かくて、遠くの空が霞んでいた。晴れは晴れでも冬晴れのクリアな感じとは違って、どこかぼんやりした晴れ。青ではなく水色。これがまさに春の空。
毎年、春だなあ、と思うポイントはいくつもあるけど、そのうちのひとつが、冬に見えていた富士山が見えなくなることだ。冬の晴れた朝にはそこにあったはずの富士山が、どんなに晴れていても見えなくなる。春霞のせいなのか、黄砂のせいなのか、両方なのか。
春は好きだが、富士山が見えなくなるのは寂しいし、花粉や黄砂が飛ぶので外出や洗濯に気を遣うのも、いきなり暑い日がくるのも、つらい。この3点に直面すると、やっぱり冬のほうが好きかな…と思う。関東では雪国の過酷さもないし。
ただ、淡くくすんだ水色の空に、ほわほわと輪郭のにじんだやわらかな雲が浮かんでいるのは、好き。これも春ならではだと思う。
どの季節も好きなことと嫌いなことがあるけど、なるべく好きなことを見つけていきたい。七十二候を追うことがそれにつながればいいと思う。
白梅に紅梅、椿、春霞 こんな季節にきみは生まれた
河津桜を見てきました(子供を抱きながらの撮影は難しい)