菜虫化蝶(生まれるなら秋がいい)

菜虫化蝶、なむしちょうとなる。青虫が羽化してモンシロチョウになる頃、とのこと。つい最近虫たちが動き出したばかりなのに、もう? と調べてみると、どうやら蛹の状態で越冬しているらしい。それが暖かくなってきて、そろそろね、と出てくるのがこの時期らしい。

 

ざっとWikipediaを見ただけでも、モンシロチョウの生態は知らないことばかりで面白かった。まず、紫外線に当てるとオスは黒、メスは白く見え、本人たちはこれで雌雄を識別していること。ここから秋まで4、5回、産卵と孵化、羽化のプロセスを繰り返す(つまり世代交代する)こと。卵の期間は一週間、青虫が約二週間、蛹は暖かい時期は一週間だが前述のように秋から冬は数ヶ月、そして蝶となってからは二、三週間でその間に産卵して死ぬ。

秋生まれの卵と春夏生まれの卵で一生の長さが何倍も違う。もし自分がなるなら、あわあわと成長して飛びはじめる春夏の個体より、蛹の中でゆっくりしてから外に出ていく冬の個体のほうがいいなあと思う。夏は天敵の蜂がブイブイ(というかブンブン)いわせているから、羽化してからも危険がいっぱいだし。ああ、でも青虫時代に食べるものは、春夏のほうが豊富かな…アブラナ科…(調べてる)いや秋でも大根とか白菜とかある。いける。

というわけで今の時期に飛びはじめるモンシロチョウは蛹でのんびり越冬した仲間たちです。まだ見かけていないけど、出会ったらちょっと親しみを感じてしまいそう。逆に夏のモンシロチョウを見たら、忙しないけどがんばれよ、と思うと思う。

 

 

話は変わって、前回更新したあたりから木々がみるみる芽吹きはじめるのを目の当たりにしている。草木芽生え出づる、と思いながら眺めている。見上げる木の枝の形がざわざわしている。今まで生きてきて、こんなに木の芽吹きを気にしていたことがなかったので、なんだか新鮮な感じ。

虫も一気に増えた。羽虫や小さな蜘蛛や蝿。新しそうな蟻の巣も見かける(調べたら蟻の巣は冬のあいだ出入りがないため自然にふさがり、春になるとそこを再び開けて外に出るというので、蟄虫啓戸、巣ごもり虫戸をひらくの「戸」ってこれか! そのまんまだ! ってなった)。

七十二候、やはり実態より少し先取りなのかなと感じるけど、だからこそ、次はこういうことが起こるのだ、という目で観察できるから、楽しい。

明日は春分

 

白い蝶 秋に生まれて冬を越え人生の春をいざ謳歌せよ

 
f:id:macskak:20180320125435j:image

芽吹きでざわざわしている木