2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

紅花栄(おもひでぽろぽろ)

紅花栄、べにばなさかう。紅花が咲きそろう頃。 最近の七十二候は実際の季節に沿っている感じだったが、紅花は夏の花で、咲くのは6月から7月ということなので、やや早い。 紅花はたんぽぽのように黄色く咲き、次第に赤くなる。花には水に溶ける黄色い色素と…

蚕起食桑(蚕室の令嬢)

蚕起食桑、かいこおきてくわをはむ。蚕が目覚めて桑をどんどん食べる頃。 養蚕の歴史は三千年とも五千年ともいわれている。蚕は完全に家畜化された虫で、野生には存在しないし野生下では生きられないのだという。白くて目立つうえに敵から逃げる素早さも身を…

竹笋生(竹と後悔)

竹笋生、たけのこしょうず。筍が生えてくる頃。 いまさら筍?と思ったらこの筍は孟宗竹ではなく、日本原産の真竹のことらしい。真竹の旬が今の時期。 住んでいるアパートの敷地の裏手にはちょっとした竹藪があり、春になると、そこから地下を這って進出して…

蚯蚓出(毒ミミズの夢)

蚯蚓出、みみずいづる。冬眠していたミミズが地上に出てくる頃。冬眠って。もう夏である。啓蟄から遅れること二ヶ月、ようやく出てくるらしい。のんびりしたものである。 今回ミミズについてあれこれ調べてみたけど、例によってゲシュタルト崩壊してミミズが…

蛙始鳴(歓びの歌)

5日から昨日までの七十二候、蛙始鳴、かわずはじめてなく。蛙が鳴きはじめる頃。 二十四節気では立夏。暦上は夏だ。と書きながら一昨日から寒い。しまったばかりの冬服を再び出して着ている。 蛙が出てくるのは啓蟄の頃、巣ごもり虫が戸を開いた3月上旬だが…

牡丹華(わたしにないもの)

ひとつ前、4日までの七十二候、牡丹華、ぼたんはなさく。文字通り、牡丹の花が咲く頃。 私が初めて牡丹の花というものを意識したのは24歳の時だ。同棲生活が破綻して逃げこむように移り住んだ実家の庭に芍薬が咲いていた。たぶん芍薬、と母が言っていた気が…

霜止出苗(田んぼの話)

霜止出苗、しもやんでなえいづる。霜が降りなくなり、稲の苗が生長する頃。例によってもう終わっています、昨日、もとい日付的には一昨日、まで。 4月半ばに一週間ほど子供とふたりで実家に帰省した。うちは農家ではないのだが、自分たちで食べるだけの米は…