上半期をふりかえる(2月と3月)


今週のお題「2016上半期」


続きまして2月。
2月は日記を見なくてもよく覚えている。
新婚旅行に、フォトウエディングだ。
籍を入れたのは去年なのだけど、去年は猫にいろいろあってそれどころではなかったので、ようやく落ち着いてふたつのミッションを片付けることができた。

新婚旅行は瀬戸内海の

と書いていて、これもし知人に見られたら私だと即ばれてしまうな、と怖じ気づいたのでこの話はやめておきます。
もう遅いか。

そもそも1月、2月って、これ6回もやってたらもう次のお題になってしまう。
巻きましょう。


2月はまあそんな感じで、日数少ないわりにイベントみちみちだった。
そんな中、朝の通勤電車の出来事。

先頭車両、ドアの横にカップルが密着して立っている。男が女を後ろから抱きしめる形。次の駅で降りるのでドア前に移動し、彼らのすぐ隣に立つと、二人も降りるのか、無言のまま女は振り返り、男のほうを向いた。すると男はゆっくりと、本当にゆっくりと、女の茶色いつやつやの髪を撫でた。
ぶは、と笑い出しそうになり必死で堪える。マスクしていてよかった。

このとき感じた面白さは、どうしてもうまく人に伝えることができないままだ。

笑ってしまったのはカップルの仲睦まじさではなく、時間の流れる速さの違いの、強烈さ。
真っ先に電車を降りて階段をざんざん上って降りて、改札を抜けて速歩き、というこれからの流れを頭の中でせかせかとイメージしている私の真横で、突然のアダージェット。
聴いていた音楽が、前触れもなく、突然1/4くらいの速度になったような。
要は二人の世界にまんまと巻き込まれてしまったのだ、一瞬。

その日は半日くらいほくほくして過ごした。



続きまして3月。

ある日、昔の友人の夢を見た。とても風変わりですてきな人だ。
その人に久しぶりに会い、名字が変わった話をする。漢字で書くと、こう、と説明する。
ファンタジックだな、とその人は言う。
その日の朝のこと。

交差点の近くを歩いていたら、空から白いものがふわりと落ちてきた。小さな羽毛だ。おそらく鳩の、羽根の内側の柔らかな毛。ファンタジック、という言葉が蘇る。夢の中から私に魔法をかけたのか、君は。


日常にもドラマチックなことはある。


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猫ばっかり撮ってる

上半期をふりかえる(1月)

そうか、やっと半年か、という感じがする。
せっかくなので振り返ってみます。

とはいえ1月のことなど何ひとつ覚えていない。
こんなときに便利なのが、iPhoneアプリ「100年日記」。


もともとEvernoteに何年か日記を書いていたので、連携させて、さらに昔自分でHTMLを組んでWebで公開していた日記も取り込み、2200日以上の日記がまとめて読めるようになっている。
ちょっとした叙事詩だ。
HTML時代と並行して、5年くらい、紙の日記帳にも1日1ページつらつらと書いていたので、本当はそれもスキャンして入れたいくらい。


話が大きく逸れた。

日記を確認したところ、何もないと思っていた1月にもそれなりに出来事はあった。

まず、新年の挨拶をしようと久々にメールした友達のアドレスが変わっていて、連絡がとれなくて落ち込んだ。
会おう会おうと言われていたのに後回しにしてきてしまったから、ついに見放された、と思った。
それなら私のせいだから仕方ない。
でもどうか無事でいてほしい。何かの事件に巻き込まれたりせず、無事でいてくれるなら、それでいい。
でもそれさえ私には知る手段がないのだ。

と一晩と半日くらいくよくよしたあと、そういえばショートメールという手があるではないか、と気づく。
送ったらすぐ返事がきた。
昨日ちょうど機種変更して、操作がよくわからなくて放置してました! と。
ほっとした。
無事でよかった。

その後その子と飲みに行き、相変わらずかわいくていい子で幸せな気持ちになった、というのが1月。


あと、ベランダの多肉植物が霜にやられて2割ほど死んでしまった。
ショックすぎて一週間くらい現実を受け止められず。
去年はそういえば室内に入れてたよ…なんで出しっぱなしで平気と思ったんだよ…と自分を責める日々。


もうひとつ、日記を見ていたら

前に住んでいたアパートの通り、塀の上に大きな烏がとまっている。ちょうど目の高さ。大きくて、黒くつやつやしている。羽根は紫にも緑にも見えるような色。とにかく大きい。こんなに大きかったか。視線を合わせないよう、傘に隠れてすぐそばを通り過ぎる。通勤途中で烏に襲われたら労災は下りるのだろうか。

と書いてあって、何書いてんだこの人と思った。


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2月につづく


今週のお題「2016上半期」

雨の日には雨の歌

雨の日は雨の歌が聴きたくなる。

iPodに「雨」というプレイリストを作って、会社への道を歩きながら聴く。
その中から、聴いてると特に世界がきれいに見える(個人の感想)2曲。



キリンジ『Lullaby』


大好きなのです、キリンジ
兄弟ラストライブは初日と千秋楽に行って、その後数週間、あー、…あー…、と呟きながら茫然と過ごしました。

キリンジは雨の歌が多くて、『雨を見くびるな』もサビのコード進行がものすごくて好きなのだけど、雨の日によく聴くのはこちら。
音数の少なさが雨っぽいのか。

DODECAGON

DODECAGON


ライブ盤も好き



奥井亜紀『海の底のホテル』


アニソンの人、という印象があるけど私は中学の時ラジオで『泣くもんか』という曲を聴いて以来のファンだ。
彼女には珍しい雨の日の歌。
声に、表現力というか、一瞬で場面を変える力があるので、一気にその曲の世界に連れていかれる。
眼前に繰り広がる雨の街。
ビニール傘のくらげ、というフレーズが秀逸。

音海スイム

音海スイム




余談
件のキリンジラストライブ、Blu-rayを買ってしんみり観てたら、突然客席に自分が映って現実に引き戻されました



何度観てもしんみりしちゃう


今週のお題「雨の日グッズ」


雨ふり通勤の友

今週のお題「雨の日グッズ」

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ちょうど先週、くるぶし丈のレインブーツを買ったところ。

エーグルの長靴は持っているが、がぼがぼしていて、長時間歩くと膝が痛くなってしまう(膝の皿にやや水が溜まっています)。

でも大足の私に合う、丈の短いレインシューズなど、と諦めかけていたら、オリエンタルトラフィックのアウトレット店舗にあった。
オリエンタルトラフィック
私の履けるかわいい靴はやはりここにしかない。

まあ濡れなければいいか、くらいの気持ちで買ったのだけど、これがとてもいい。
サイドゴアになっていて、フィット感がすごい。思ったよりずっと歩きやすい。

レインシューズの最大の利点は、いや最大は靴下が濡れないことかもしれないが、それに劣らぬ利点は、下を見て歩かなくていいことだと思う。
歩道の水たまりもざぶざぶ入っていける。

うつむいて歩くのは精神的によろしくない、と以前どこかで読んだけど、下を向いて水たまりを避けながら歩くより、前を見てまっすぐ歩いたほうが、そりゃあ、清々しい。

雨の日も憂鬱じゃなくなるってもんだ。



これです、まさにこのサイズ。助かる。


これは自転車通勤の頃に重宝した。最近のレインポンチョは丈が長いから足まで隠れるのかもしれないけど、合羽だと膝下は濡れるので。

エーグルはかなりゆったりめなので、本当は試着して買ったほうがいいと思う。



ひとりでなにが悪い

「ひとりじゃない!
あなたを想っている人は絶対いるよ!」

東武鉄道の車内広告に書いてある。

初めて見たとき、おお…と思った。
飛び込みが全国一多いとかいう噂は聞いていたが、そんな広告を出すほど、多いのか…。
青色の灯りを取り入れたり、非常ベルを設置したり、啓発活動を行っています、という内容の広告なのだけど、
果たしてこの広告にどれほど効果があるのか。

あなたを想っている人がいなければ飛び込んでいいのか。



大学生のころ、一冊の本に出会った。
枡野浩一『ハッピーロンリーウォーリーソング』。

当時は短歌にはまったく興味がなかったのだが、本屋でたまたま見つけて手にとってみた。
1ページに一首、対向ページは単色の写真、というつくり。
買って帰り、ゆっくり読んだ。はー、と息をつきながら、時間をかけて読んだ。


いちばん好きなのがこの歌だ。

だれからも愛されないということの自由気ままを誇りつつ咲け

そのころの私は、就活はうまくいかないし、彼氏は私の友達を好きになっちゃうし、なりたいものもなく、なにを支えにこの先を生きていったらいいのか途方に暮れていた。

でも、それは自由であるのだと。
そんなふうに胸を張って生きていいのだと。

実際には私には愛してくれる親も親友もいて、だれからも、なんてことは決してないのだと知っていた。
それでも、この歌は私を強くした。
強く生きていけると思った。



私が自分でも短歌を作りはじめるのは、そこから5年ほど経ってから、また別のきっかけを受けてなのだけど、
その間もこの歌だけはお守りのように心で呟いていた。
作るようになって、そういえばあれも短歌であった、と改めて気づくほど、私の中になじんでいた言葉。



ひとりじゃない、と君は言うが、
ひとりであることが、愛されることより劣るなんて誰が決めたんだ。

当たり前にそうやって決めつけることが、悲劇を生むんではないか。


そんなことを、電車に揺られながら思った。


ハッピーロンリーウォーリーソング (角川文庫)

ハッピーロンリーウォーリーソング (角川文庫)

汗かき通勤の友

駅から会社までが遠くて、普通に歩くと20分以上かかる。
そんな私の夏の通勤の必需品は、

1、日焼け止め
2、日傘
3、腹にタオル

です。
 

1は特に言うこともないけど、肌が弱くて塗らないとすぐ湿疹ができるので、顔には必ず塗るようにしている。

2は、紫外線対策ではなく暑さ対策。 
直射日光を浴びて歩くのと、日陰を作りながら歩くのでは、体感温度がまったくちがう。
と、一昨年に日傘を使いはじめてから知った。
考えてみれば日陰のほうが涼しいのは当たり前なのだ。
男性にもぜひ使ってみてほしい。
日傘=紫外線対策のイメージが強くて、男性で日傘さしてるなんて女子かよみたいに思われがちだけど、そのへんをもっと、マスコミあたりにがんばってもらえたらいいと思う。日傘の新しいイメージ作り。


とはいえ歩くと汗をかく。
私は無駄に代謝がよく、真夏に限らず、歩くとすぐ汗をかいてしまうのだ。痩せてるくせに汗っかき。

そこで絶対に外せないのが、3、腹にタオル。


今の会社に入って最初の夏は、毎日、会社に着くとおなかをこわしていた。
私の席はエアコンの真下だ。
大汗をかいて歩いてきたところに、直風で一気に冷やされる。着いてすぐ汗を拭いてもだめ。もう服が濡れているから。
着替えを持参するしかないのか。

と母に相談すると、そんなのおなかにタオル巻いて行ったらいいんだよ、と言う。
私も働いてるときはそうやってたよ、と。

やってみたらこれが大ヒット。

女性にはわかっていただけると思うんですが、ブラ(私はユニクロのブラトップ一択ですが)の下側、ブラトップで言うとゴムのとこ、にはとても汗がたまる。
そこにタオルを挟みます。
会社に着いたらトイレでするんと抜き取って、ついでに汗を拭いて、かばんにしまう。
それだけで、一日の快適さが桁違い

もうこれなしでは夏を乗り切れない。必需品というより命綱だ。
これなしで、みんなどうやって夏の冷えから体を守ってるのか。
実はみんなやってるの?
他の人から聞いたことないんだけど。


着替えるより楽なので、汗が冷えて困る人にはぜひお試しいただきたいです。


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にぎやかし


今日は本当に暑い。
本当出してきたね、夏。



歯医者でワンダー

今日も歯医者に行ってきた。

子供の頃に治療した歯の、金属との境目に虫歯ができてるらしいので、今日はそこの治療。
右上のいちばん奥。
まず金属を削っていきますね、というので、はーい、とのんびりしていたら、口の中で

ひゅるるがぎきぎりごごごぎゃぴぴりりりがごごぎゅるるり

という、予想外のとんでもない音がして、思わず笑ってしまった。
歯を削る音とは比較にならない。
金属。
メタル…!

しかも、上のいちばん奥の歯ということは、すぐそこが耳なのだ。
耳元で(というか耳裏で)金属の切削が行われている。
その全部の音が右耳から入ってくる。
外耳も中耳もすっとばしてダイレクトに内耳に響いてるんではなかろうか、くらいの近さ。重量感。

新鮮だった。

世界にはまだ味わったことのない感覚がある。
これからもこんな新鮮な驚きを、取りこぼさないように感じていきたい。

と、診察台で大きく口を開けながら思った。


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ぜんぜん関係ないけど、このあじさい、妖精みたいでとてもかわいい。