短歌の目7月(幾重にも)

今月も参加させていただきます。

よろしくお願いします。

 

 

 

7月題詠 5首

 

1. 透

太陽に透かしてみれば幾重にも幾千重にもつらなる私

 

2. ホイップ

水蒸気ホイップしてよ夏空に倦怠まとい白き塔立つ

 

3. 果

アスファルトぐらぐら煮えてまたひとつ夏に果てたるいきものの羽根

 

4. ペンギン

ペンギンに仮託せずとも私たち持ってるもので生きていくだけ
 

5. 短夜

星のない短夜だから今夜だけ白亜の森のあなたを想う

 

 

 テーマ詠「あつい」


泣きわめく体を抱えいのちとはこんなに熱いものであること

 


f:id:macskak:20170801010521j:image

短歌の目6月(そのつぎの町)

今月も参加させていただきます。

久しぶりに早めにできた! と思っていたけど、もう29日だし6月って30日までなので1日早いだけでした。なんだ。

 

 

 

題詠 5首

 

1. クリーム

自意識でがんじがらめの思春期よソフトクリームに歯をたて齧る

 

2. 溝

側溝を流れる闇のその先の地中ふかくに待つという君

 

3. 万緑

万緑にいのちみなぎり小さき背をしっかり抱く奪われぬよう

 

4. 雨

仄暗い森を歩けば森の息わたしの息で雨が生まれる

 

5. きみ

ふるさとの海岸線をかきまぜるきみつきさらずそのつぎの町

 

 

テーマ詠「衣服」

 

メイドバイ母の黄色いワンピース向日葵のようにアルバムに咲く


15歳 オシャレがなんだわれわれは緑ジャージの正義の味方

 

夏服のセーラーの衿が重いのは羽ばたきすぎないためのアンカー


さようならスモークピンク 君が見た曇天の下のさいごの私


繰り返すことが使命であるように70サイズの型紙を切る

 

 

f:id:macskak:20170629151333j:image

去年あじさいのことを書いたけど、あれからもう一年経つのか、、と散歩中にあじさいを見て思いました

 

 

短歌の目5月(あかあおきいろ)

今月もよろしくお願いいたします。

 

 

 

題詠 5首

1. 青葉

青葉闇あまく匂って永遠に届かぬままの告白を聴く

 

2. くつ(靴、屈、窟など他の読みかたも可) 

たいくつな日々のほとりで夢を見るあかあおきいろ架空の世界

 

3. カーネーション

鉢植えは猫がかじってしまうのよカーネーションの紅いしましま

 

4. 衣

死んだってあなたのものにはならないが白い羽衣かえしてください

 

5. 夕なぎ

海沿いを走る電車は橙にふたりを染めて 今、夕なぎ

 

 

テーマ詠
テーマ「運動会」

はちまきを小さく巻いて手に隠し赤なら吐血 青なら涙

 

校庭から赤がんばってください、と 五月の道を軽やかにゆけ

 

 

 

f:id:macskak:20170531175513j:image

 

 

短歌の目4月(綿毛は笑う)

 

 今月も参加させていただきます。

 

 

 

1. 皿

紙皿のうえにぽたりと日は落ちてああまた容赦なく夏が来る

 

2. 幽霊

日だまりの幽霊屋敷にふわふわと綿毛は笑う こっちへおいで

 

3. 入

地下室に入りきらない思い出や諦念がドライアイスのように

 

4. うそ(嘘、鷽、獺も可)

ごめん嘘 金平糖をばらまいて追いかけてくる夢から逃げる

 

5. 時計

はと、時計、いま、回りだす、水面に、人魚の白いてのひらゆれる

 

 

テーマ詠
テーマ「新」

眠るたび細胞すべてあらたまりその目に映るまっさらな朝

 

 

 

寝落ちして夜中の授乳後に慌てて仕上げております。真夜中のブルーライトの眩しさよ。

〆切に深夜という漠然とした時間を設定していただいたおかげで、もうこれアウトかしらと思いつつも勇気を出して投稿することができました。卯野様、ありがとうございます。

 
f:id:macskak:20170501022428j:image

 

短歌の目3月(あまりに白く)

今月もぎりぎりです。どうぞよろしくお願いします。

 

 

題詠 5首

 

1. 草

春ならばしろつめ草の咲く団地 幼い私をみどりに染める

 

2. あま

手のひらはあまりに白く小さくて空へ向ければただただ未来

 

3. ぼたん

あの日々のすべてをさらっていった人 うすむらさきのぼたんのような

 

4. 鳥

鳥の影急降下して午後二時の眠りの街を切り裂いてゆく

 

5. 雷

はじまりは自分で決めた今ここに祝砲のように雷が鳴る

 

 

テーマ詠「捨」

結晶のふちどりの冬を脱ぎ捨ててどこかへ向かう君も私も

 

水が好き ひとりが好き 音楽が好き どこかに捨てたわたし、私は

 

 

 

 

もう3月31日って嘘でしょ、という気分です。

赤子の世話に追われ、退院や検診やお宮参りで外出した数日以外は、すべてパジャマで過ごした1ヶ月。

例によってテーマ詠はふたつとも過去に作ったものです…。あと鳥も。

ほそぼそと来月も続けてゆければと思っております。

 

 

短歌の目2月(あわいあおぞら)

ぎりぎりですが今月もよろしくお願いします。

 

 

題詠 5首

 

1. 洗

からからで息ができない薄皮を洗い流せる雨をください

 

2. 鬼

嘘つきで正直な眼の鬼たちは疲れた君にきっとやさしい

 

3. 入

入り口の狭さ暗さにあきらめたあの道をいつかだれかが通る

 

4. チョコ

義理チョコがファイヤーキングに変身し帰ってきた日 君よ元気か

 

5. きさらぎ

きさらぎのあわいあおぞら 思い出は融けてぴたぴた地面に落ちる

 

 

テーマ詠「夢」

 

甘い夢 手をつなぐ人のいることを甘い夢としか描けない今日

 

眠るたびふらふら出会う夢のなかピアノを弾いてあなたはうたう

 

みずからのあまいいきで眠りにおちるマスクのなかのマタンゴのゆめ

 

 

 

 

すいません、今月は駆け込みの推敲不足。テーマ詠に至ってはすべて過去につくったものだし。

つい先日、女児を出産して、現在入院中です。

来月はがんばります! …できるかな…!

 

 

短歌の目1月(どうして星が)

短歌の目1月。今月も参加させていただきます。

 

題詠 5首
 

1. 編

編み込みも大人になればできるはずだった 優等生のはるちゃんみたいに

 

2. かがみ(鏡、鑑も可)

いつのまに鏡の世界をあきらめて生きていくこと決めたのだろう

 

3. もち

雪の日はおもちもちもち二個入りをひとりじめする 内緒にしてね

 

4. 立

ぶすのうえ気立てもわるい 息を止めどうして星がこんなに見える

 

5. 草

草の名は知らずめずらし花の咲く ひとりぼっちを許す青空

 


 テーマ詠

テーマ「初」

もうすぐでふたつのいのちは分かたれて初めてに満ちた日々がはじまる

 

暗闇に十月十日を泳ぎきり君は生まれる ようこそ世界

 

 
f:id:macskak:20170126150021j:image